激務の中から得られる能力

多くの看護師が職場に出てみて圧倒されることが多いのが、仕事の量と現場の目まぐるしさであり、激務に圧倒される日々を過ごすことになりがちです。最初の1、2年は特にその傾向が強くて毎日疲れてしまう人がよくいます。しかし、その中から得られるものは大きく、一生ものの能力を体得する機会になっていると理解しておくことが大切です。

看護業務で何よりも身につくのが速さであり、時間をいかに効率的に使うかと意識しなくてもあらゆる作業の速さは身についていきます。個々の看護スキルの手早さだけではなく、歩く速さや会話の速さといった点にも影響し、時間の無駄が自然になくなっていくのです。しばしば食事をするのも休憩するのも速くなり、日常的に人に指摘されるようになる人もいます。

激務を通して看護師が身につけられる速さは必ずしも職場の中だけに限定された能力ではありません。私生活でもテキパキと動けるようになり、それまではゆっくりと行っていた掃除や洗濯が効率的になったり、料理が上手になったりすることもよくあるのです。激務は大変だと感じてしまうとだんだんと辛くなってしまいますが、日常で自分の時間を無駄にしないための訓練だと捉えると、少し感じ方も変わってくるかもしれません。自覚を持つようになると、むしろ自分の作業が速くなっていくのが楽しくなってやりがいになる場合もあるのです。ただ、速さがすべてではなく、仕事の質を考えることも忘れてはいけません。

看護師の中には、仕事スピードが上がらない人もいます。そういう人は、もしかするとあまり現場に自身の適性が合っていないのかもしれません。人それぞれにいい部分を持っているはずなので、どうしても合わない場合は転職を考えてみるのも一つの手です。